症状
耳鳴りが続く・片耳だけ聞こえるとき|受診の目安と耳鼻咽喉科での検査
耳鳴りは、周囲で実際に音がしていないのに「キーン」「ジー」「ブーン」などの音を感じる症状です。難聴とともに現れることが多く、耳垢や中耳の状態、内耳の病気、体内の血流や筋肉の動きなど、背景はさまざまです。音の種類だけで原因を決めず、片耳か両耳か、突然始まったか、聞こえにくさ・耳のつまり・めまいを伴うかを確認することが大切です。急な聞こえの変化を伴う場合は、様子を見続けず早めに耳鼻咽喉科を受診してください。
次の症状を伴う場合は迷わず119番へ
耳鳴りとともに以下の症状が突然現れた場合は、脳卒中など緊急性の高い病気の可能性があります。症状が治まるのを待ったり、自分で運転したりせず、119番へ連絡してください。突然の神経症状は一度治まっていても同様です。
- ろれつが回らない、言葉が出ない、相手の言葉を理解しにくい
- 顔の片側が動きにくい・しびれる、口元がゆがむ
- 突然、片側の腕や足に力が入らない・しびれる
- 飲み込みにくい、むせる
- 支えなしでは立てない・歩けないほど、急にふらつく
- 突然ものが二重に見える、見える範囲が狭くなる
- 突然の激しい頭痛がある
- 意識がもうろうとする、呼びかけへの反応が悪い、意識を失った
救急サインがなくても、耳鳴りと同時に急に聞こえにくくなった場合は、様子を見続けず早めに耳鼻咽喉科を受診してください。
耳鳴りとは
耳鳴りは、明らかな外部の音がないのに音を感じる症状です。高い音、低い音、セミが鳴くような音など感じ方はさまざまで、片耳だけの場合も両耳の場合もあります。ずっと続くことも、途切れながら繰り返すこともあります。
耳鳴りの多くは本人だけが感じますが、体内の血流や筋肉の動きが音として伝わる場合もあります。聞こえる音の表現だけで原因を判断することはできないため、始まり方や伴う症状を合わせて確認します。
- 「キーン」「ジー」「ブーン」「ザー」などの音がする
- 片耳だけ、または左右で違う耳鳴りを感じる
- 静かな場所や就寝時に耳鳴りが気になる
- 心臓の脈に合うような音がする
- 耳鳴りと一緒に聞こえにくさ・耳のつまりを感じる
- 耳鳴りと一緒にめまい・ふらつきを感じる
- 大きな音を聞いたあとから耳鳴りが始まった
耳鳴りで耳鼻咽喉科を受診する目安
上の救急サインがある場合は119番へ連絡してください。救急サインがなくても、急な聞こえの変化を伴う場合、片耳だけで続く場合、脈に合う場合、生活への支障がある場合は、原因を確認するため耳鼻咽喉科へご相談ください。
急に聞こえにくくなった、耳が急につまった、めまいとともに急に耳鳴りが始まった場合の詳しい目安は、急に片耳が聞こえにくいときをご覧ください。
- 耳鳴りと同時に、急に片耳または両耳が聞こえにくくなった
- 耳鳴りに、耳のつまりやめまいを伴う
- 片耳だけの耳鳴りが続く、または左右差がある
- 心臓の脈に合うような耳鳴りがする
- 大きな音を聞いたあと、または耳を傷つけたあとから耳鳴りがする
- 耳の痛み、耳だれ、発熱を伴う
- 耳鳴りで眠れない、仕事や家事に集中しにくいなど生活に支障がある
受診時に伝えると役立つこと
耳鳴りは診察室では再現できないこともあります。可能な範囲で次の内容を確認しておくと、必要な診察と検査を考える手がかりになります。救急サインがある場合は、記録のために連絡を遅らせないでください。
- いつ始まったか、突然か徐々にか
- 片耳か両耳か、左右で違いがあるか
- ずっと続くか、途切れるか、特定の時間や姿勢で変わるか
- どのような音か、心臓の脈に合うか
- 聞こえにくさ、耳のつまり、めまい、耳の痛み、耳だれの有無
- 睡眠、仕事、家事、気分など日常生活への影響
- 直前に大きな音を聞いたか、耳を傷つけたか
- 服用中の薬、これまでの耳の病気、持病
耳鳴りに関係する主な状態
耳鳴りは一つの病名ではなく、さまざまな耳や全身の状態に伴って現れる症状です。症状だけで原因を決めることはできず、耳の診察と聴力検査などを組み合わせて確認します。
難聴や内耳の病気に伴う耳鳴り
加齢や大きな音による難聴、突発性難聴、急性低音障害型感音難聴、メニエール病などで耳鳴りを感じることがあります。急な聞こえにくさや耳のつまりを伴う場合は、早めの評価が大切です。
めまいを主症状とする場合の救急・耳鼻咽喉科・他科の受診目安は、めまい・ふらつきをご覧ください。
耳の入口・中耳の問題に伴う耳鳴り
耳垢で外耳道がふさがる、外耳や中耳に炎症がある、鼓膜の奥に液体がたまるなど、音が内耳へ伝わりにくくなる状態で耳鳴りを感じることがあります。耳の痛み、耳だれ、発熱を伴う場合があります。中耳炎については、中耳炎の解説をご覧ください。
体内の血流や筋肉の動きに伴う音
心臓の脈に合う音や、規則的に繰り返す音は、体内の血流や耳周辺の筋肉の動きが関係する場合があります。自己判断で原因を決めず、音のリズム、片耳か両耳か、いつから続くかを医師へ伝えてください。
耳鳴りを強く感じることに関係する要因
疲れ、ストレス、睡眠不足、体調の変化などによって耳鳴りを強く感じることがあります。ただし、これらだけを原因と決めつけると耳の病気を見逃す可能性があります。まず耳と聞こえの状態を確認します。
駒込駅前耳鼻咽喉科クリニックでの診療
駒込駅前耳鼻咽喉科クリニックでは、救急対応が必要な状態ではない耳鳴りについて、耳鼻咽喉科専門医が診療します。耳鳴りの特徴、耳の診察、必要な検査の結果を合わせ、原因となる病気への対応や追加検査・紹介の必要性を判断します。
1. 耳鳴りの特徴と耳の診察
始まった時期、片耳か両耳か、音の感じ方、脈との関係、難聴・耳のつまり・めまいなどの伴う症状、生活への影響、服薬内容を確認します。耳鏡や顕微鏡・内視鏡で、耳垢、外耳道、鼓膜、中耳の状態を診察します。
2. 聴力検査
必要に応じて聴力検査を行い、左右の耳で聞こえる音の大きさや聞こえ方を確認します。自覚的な聞こえにくさがなくても、耳鳴りの評価では聴力の左右差が手がかりになることがあります。院内には聴力検査室とオージオメータを備えています。
3. 中耳機能の確認
鼓膜の奥に液体がたまっている可能性などを確認するため、症状と診察所見に応じて中耳機能検査を行います。すべての方に同じ検査を行うのではなく、必要性を判断して検査を選びます。
4. 高次医療機関との連携
脈に合う耳鳴り、聴力の左右差、神経症状などから画像検査や専門的な評価が必要と判断した場合は、対応できる高次医療機関へおつなぎします。MRI・CTなど院内で行えない検査や、専門的な治療を院内で実施すると約束するものではありません。緊急性がある場合は救急医療機関での評価をご案内します。
耳鳴りへの対応は原因と困り方に応じて決めます
耳鳴りへの対応は、原因となる病気、聞こえの状態、続いている期間、睡眠や日常生活への影響によって異なります。原因となる病気が確認された場合はその治療を優先し、慢性的な耳鳴りでは、耳鳴りの仕組みや見通しの説明、生活環境の工夫、聞こえの支援などを組み合わせて方針を考えます。
特定の薬や一つの治療ですべての耳鳴りがなくなるとは限りません。補聴器、音を利用する方法、専門的な相談などが選択肢になる場合もありますが、必要性と実施場所は診察結果に応じて個別に判断します。慢性的な聞こえの困りと補聴器相談については、補聴器相談の流れをご覧ください。
考えられる主な疾患
突発性難聴・急性低音障害型感音難聴
急な耳鳴りに、聞こえにくさや耳のつまりを伴うことがあります。早めの耳鼻咽喉科受診が大切です。
加齢性難聴・音響外傷など
加齢や大きな音による聞こえの変化に伴って、耳鳴りを感じることがあります。
メニエール病
耳鳴り、難聴、耳のつまりなどの聴覚症状と、めまいを繰り返すことがあります。
中耳炎
鼓膜の奥に炎症や液体の貯留があると、聞こえにくさや耳のつまり、耳鳴りを感じることがあります。
拍動性耳鳴など
心臓の脈に合う音は、体内の血流などが関係する場合があり、必要に応じた評価が行われます。
よくあるご質問
Q. 耳鳴りは何科を受診すればよいですか?
A. まず耳鼻咽喉科へご相談ください。耳の診察と必要な聴力検査で、耳垢や中耳の状態、聞こえの変化、追加検査の必要性を確認します。ろれつ、顔や片側の手足の動き・感覚、飲み込み、立つ・歩く、見え方、意識に突然の異常を伴う場合は、通常外来を待たず119番へ連絡してください。
Q. 急に耳鳴りが始まった場合は、すぐ受診したほうがよいですか?
A. 急に聞こえにくくなった、耳が急につまった、めまいを伴う場合は、様子を見続けず早めに耳鼻咽喉科を受診してください。急な難聴が隠れていることがあります。神経症状を伴う場合は119番へ連絡してください。
Q. 脈に合う耳鳴りは相談できますか?
A. ご相談いただけます。脈に合う耳鳴りは体内の血流などが関係する場合があるため、片耳か両耳か、いつから続くか、姿勢や運動で変化するかをお伝えください。診察と聴力評価を行い、画像検査など院内で行えない評価が必要な場合は高次医療機関へおつなぎします。
Q. 耳鳴りではどのような検査をしますか?
A. 耳鳴りの始まり方、片耳か両耳か、伴う症状を確認し、耳垢、外耳道、鼓膜、中耳の状態を診察します。必要に応じて聴力検査や中耳機能検査を行います。画像検査や専門的な評価が必要な場合は、高次医療機関へおつなぎします。
Q. 耳鳴りは治りますか?
A. 耳鳴りへの対応は、原因となる病気、聞こえの状態、続いている期間、生活への影響によって異なります。原因となる病気を治療することで改善する場合もありますが、特定の薬や一つの治療で必ずなくなるとは限りません。診察と検査の結果をもとに、必要な対応を個別に考えます。