症状

急に片耳が聞こえにくいとき|受診の目安と耳鼻咽喉科での検査

急に片耳または両耳の聞こえが変わったときは、耳垢や中耳の病気だけでなく、早期の評価が大切な内耳の病気なども考えられます。症状だけで原因を決めたり、耳垢だと思って様子を見続けたりせず、早めに耳鼻咽喉科を受診してください。ろれつが回らない、顔や片側の手足が動きにくいなどの神経症状を伴う場合は、通常の外来を待たず119番へ連絡してください。

監修: 早坂 あかね(院長)公開日: 最終更新日:

急な聞こえの変化とは

聞こえにくさは、音が小さく感じるだけでなく、音がこもる、耳がふさがったように感じる、片側からの呼びかけに気づきにくいなど、さまざまな形で現れます。片耳だけの変化は反対側の耳で補われるため、気づきにくいこともあります。

聞こえの変化が突然始まったか、片耳か両耳か、耳鳴り・耳のつまり・めまい・耳の痛みなどを伴うかは、必要な検査と受診の緊急度を考える手がかりになります。

  • 朝起きたとき、片耳が急に聞こえにくいことに気づいた
  • 電話を左右の耳で聞き比べると、片側だけ聞こえ方が違う
  • 耳がふさがった、音がこもった感じとともに聞こえが変わった
  • 聞こえの変化と同時に、耳鳴りやめまいが始まった
  • 大きな音を聞いたあとから聞こえにくい
  • 耳の痛み、耳だれ、発熱を伴って聞こえにくい

受診の目安

上の救急サインがある場合は、迷わず119番へ連絡してください。救急サインがなくても、急に片耳または両耳の聞こえが変わった場合は、様子を見続けず早めに耳鼻咽喉科を受診してください。

  • 急に片耳または両耳が聞こえにくくなった
  • 聞こえの変化に耳鳴り・耳のつまり・めまいを伴う
  • 大きな音を聞いたあと、または耳を傷つけたあとから聞こえにくい
  • 強い耳の痛み、耳だれ、発熱を伴う
  • 聞こえ方が短い期間で変化している

急な聞こえにくさで考えられる主な原因

急な聞こえにくさは、耳の入口から鼓膜の奥、内耳、聞こえの神経まで、さまざまな場所の問題で起こります。症状だけで突発性難聴と決めることはできず、耳の診察と聴力検査などを組み合わせて確認します。

耳の入口・中耳の問題

耳垢で外耳道がふさがる、鼓膜の奥に液体がたまる中耳炎などで、音がこもったり聞こえにくくなったりすることがあります。耳の痛み、耳だれ、発熱を伴う場合があります。中耳炎の診断・治療については、中耳炎の解説をご覧ください。

内耳・聞こえの神経の問題

突発性難聴、急性低音障害型感音難聴、メニエール病などでは、急な聞こえにくさに耳鳴り・耳のつまり・めまいを伴うことがあります。早期の検査と治療開始が大切な病気が含まれるため、自己判断で様子を見続けないことが重要です。

めまいを主症状とする場合の救急・耳鼻咽喉科・他科の受診目安は、めまい・ふらつきをご覧ください。

耳鳴りを主症状とする場合の特徴と受診目安は、耳鳴りが続く・片耳だけ聞こえるときをご覧ください。

大きな音・外傷・薬などの影響

強い音を聞いたあとや、耳への外傷のあとに聞こえが変わることがあります。服用中の薬や全身の病気が関係する場合もあります。受診時は、症状が始まる前の出来事や服用中の薬を伝えてください。

受診時に伝えると役立つこと

可能な範囲で次の内容を確認しておくと、原因と必要な検査を考える手がかりになります。救急サインがある場合は、記録や準備のために連絡を遅らせないでください。

  • いつ気づいたか、最後に普段どおり聞こえていたのはいつか
  • 片耳か両耳か、急に始まったか徐々に変わったか
  • 耳鳴り、耳のつまり、めまい、耳の痛み、耳だれ、発熱の有無
  • 顔や手足の動き・感覚、ろれつ、飲み込み、見え方、頭痛、意識の変化
  • 直前に大きな音を聞いたか、耳を傷つけたか
  • 服用中の薬、これまでの耳の病気、持病

駒込駅前耳鼻咽喉科クリニックでの診療

駒込駅前耳鼻咽喉科クリニックでは、救急対応が必要な状態ではない急な聞こえの変化について、耳鼻咽喉科専門医が診療します。症状の経過、耳の診察、必要な検査の結果を合わせ、追加検査や高次医療機関への紹介が必要かを判断します。

1. 症状の経過と耳の診察

聞こえの変化に気づいた時期、片耳か両耳か、耳鳴り・耳のつまり・めまい・耳の痛みなどの伴う症状を確認します。耳鏡や顕微鏡・内視鏡で、耳垢、外耳道、鼓膜、中耳の状態を診察します。

2. 聴力検査

必要に応じて聴力検査を行い、左右の耳で聞こえる音の大きさや聞こえ方を確認します。院内には聴力検査室とオージオメータを備えています。

3. 中耳機能の確認

鼓膜の奥に液体がたまっている可能性などを確認するため、症状と診察所見に応じて中耳機能検査を行います。すべての方に同じ検査を行うのではなく、必要性を判断して検査を選びます。

4. 高次医療機関との連携

MRIなど院内で行えない検査、入院を含む専門的な評価・治療、耳鼻咽喉科以外の診療科による評価が必要な場合は、対応できる高次医療機関へおつなぎします。緊急性がある場合は救急医療機関での評価をご案内します。

受診方法

診療時間内はWeb予約をご利用いただけます。予約優先制ですが、予約なしでも受診できます。予約状況や混雑によって待ち時間が長くなる場合があり、当日の診察枠や検査完了を保証するものではありません。

持ち物と受診の流れは初診の方へ、所在地と診療時間はアクセス・診療時間をご確認ください。救急サインがある場合は、予約操作や通常外来を待たず119番へ連絡してください。

考えられる主な疾患

中耳炎

耳の痛み・発熱・耳だれを伴う急性中耳炎や、聞こえにくさ・耳のつまりが中心となる滲出性中耳炎があります。

突発性難聴

突然の聞こえにくさに、耳鳴り・耳のつまり・めまいを伴うことがあります。早期の耳鼻咽喉科受診が大切です。

急性低音障害型感音難聴

低い音を中心に急に聞こえにくくなり、耳のつまりや耳鳴りを感じることがあります。

メニエール病

聞こえの変化、耳鳴り、耳のつまりなどの聴覚症状と、めまいを繰り返すことがあります。

耳垢栓塞・音響外傷など

耳垢で耳の入口がふさがる場合や、大きな音によって聞こえが変わる場合などがあります。

よくあるご質問

Q. 急に片耳が聞こえにくくなったら何科を受診すればよいですか?

A. 早めに耳鼻咽喉科を受診してください。耳垢や中耳の状態だけでなく、突発性難聴など早期の評価が大切な病気も考えられます。ろれつが回らない、顔や片側の手足が動きにくい・しびれる、飲み込みにくい、立てない、見え方や意識に異常がある場合は、通常外来を待たず119番へ連絡してください。

Q. 耳がつまった感じだけでも受診したほうがよいですか?

A. 急に片耳がつまったように感じ、聞こえ方も変わった場合は受診してください。耳垢や中耳炎のほか、内耳の病気でも耳のつまりとして感じることがあります。症状だけで原因を決めず、耳の診察と必要な聴力検査で確認します。

Q. 急な聞こえにくさでは、どのような検査をしますか?

A. 症状の経過を確認し、耳鏡や顕微鏡・内視鏡で耳垢、外耳道、鼓膜、中耳の状態を診察します。必要に応じて聴力検査や中耳機能検査を行います。MRIなど院内で行えない検査や専門的な評価・治療が必要な場合は、高次医療機関へおつなぎします。

Q. 急な聞こえにくさは補聴器で対応しますか?

A. 急に聞こえが変わった場合は、まず原因と早期治療が必要な状態かを確認します。補聴器を前提にせず、耳鼻咽喉科を受診してください。慢性的な聞こえの困りと補聴器の相談手順は、補聴器相談の流れをご覧ください。

Q. 予約なしでも受診できますか?

A. 予約優先制ですが、予約なしでも受診できます。Web予約もご利用いただけます。混雑時は待ち時間が長くなる場合があり、当日の診察枠や検査完了を保証するものではありません。救急サインがある場合は予約を待たず119番へ連絡してください。

参考文献

  1. 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「耳の症状」 [Link]
  2. 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「耳の病気(突発性難聴)」 [Link]
  3. 厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」 [Link]
  4. 日本脳卒中協会「脳卒中の主な症状」 [Link]