子どもの中耳炎を疑うとき、耳鼻科の受診前に伝えたいこと

子どもが耳を痛がる、耳だれが出る、かぜの後に耳を気にする。そのようなときは、まず普段との違いと症状の経過を確認しましょう。耳の痛みの原因は中耳炎だけとは限らず、家庭で耳の奥を見たり、症状だけで診断したりすることはできません。
この記事では、受診までに避けたい対応と、診察で伝える情報を整理します。すでに診察を受けている場合は、担当医の指示を優先してください。
耳だけでなく、全身の状態を確認する
高い熱が出てぼーっとしている、嘔吐した後にぐったりしている、耳の後ろが赤く腫れているなど、耳の症状以外にも普段と違う様子があるときは、速やかに医療機関へ相談してください。耳の痛みだけを見て「朝まで待って大丈夫」と決めないことが大切です。
夜間・休日に受診の判断に迷う場合は、子ども医療電話相談「#8000」も利用できます。利用時間は地域によって異なるため、自治体の案内をご確認ください。明らかに様子がおかしいときは、電話相談の開始を待って受診を遅らせないでください。
綿棒や耳かきを耳の奥へ入れない
耳あかや耳だれが気になっても、耳の奥を掃除しようとしないでください。子どもが急に動くこともあり、耳の中を傷つけるおそれがあります。
耳だれが外に出ている場合は、耳の外に付いた分を清潔なガーゼなどでそっと拭く程度にとどめ、耳の中へ綿棒を入れたり、自己判断で洗ったりしないでください。耳だれが出た時刻や色など、分かることを診察時に伝えましょう。
薬で痛みが軽くなっても、耳の状態を自己判断しない
薬を使う際は、その子に使える薬か、使う量や間隔が適切かを医師・薬剤師に確認してください。以前の残り薬や家族の薬を自己判断で使うことは避けましょう。本記事では、個別の薬名・用量は指定しません。
痛みが軽くなったことだけで中耳炎が治ったとは判断できません。治療は鼓膜の状態、年齢、症状などに応じて異なり、すべての中耳炎で抗菌薬が必要になるわけでもありません。診察後は、薬の使い方と再診の案内に従ってください。
鼻を無理にかませない
鼻症状があっても、無理に強く鼻をかませないようにしましょう。鼻をかめる年齢の子どもには、片方ずつ優しくかむ方法を伝えます。まだうまくかめない場合や鼻づまりが強い場合は、年齢に合う対応を受診時に相談してください。
鼻水吸引の具体的な方法や回数は、この記事で一律に指定しません。
入浴・プール・登園の可否を確認する
中耳炎という病名だけで、入浴・プール・登園を一律に許可したり禁止したりすることはできません。耳だれ、発熱、鼓膜の状態、処置の有無などを伝え、担当医に確認してください。園や学校の利用基準がある場合は、そちらも確認しましょう。
医師へは「お風呂や水泳はいつからよいか」「耳に水が入らないための注意は必要か」「登園・登校の目安は何か」と具体的に尋ねると、家庭での対応を整理しやすくなります。
受診前にまとめておくこと
- いつから耳を痛がるか、左右どちらか
- 発熱、鼻水、耳だれ、聞こえ方の変化
- 眠れるか、機嫌や元気に普段との違いがあるか
- 食事や水分を取れているか
- 使用した薬の名前、量、時間
- 中耳炎を繰り返したことや、耳の処置を受けたこと
すべてを記録するために受診を遅らせる必要はありません。分かる範囲の情報を伝えてください。
駒込駅前耳鼻咽喉科クリニックの診療は、中耳炎の診療案内をご覧ください。来院前の案内は初めて受診される方へ、診療時間はアクセス・診療時間でご確認ください。
よくある質問
痛みがなくなったら、再診しなくてもよいですか?
症状が軽くなっても、鼓膜の状態や聞こえの確認が必要なことがあります。診察時に案内された再診を自己判断で取りやめず、確認してください。
耳だれが出たので、奥まできれいにした方がよいですか?
家庭で耳の奥を掃除せず、外に出た分をそっと拭く程度にして受診してください。
企画・執筆: 石田 和也(医承会グループ理事長)
監修: 早坂 あかね(院長)